現在、市町村から50歳前後の男性に対し、風疹の抗体があるかどうかを調べる案内(クーポン券)が発送されています。この世代の男性では風疹ワクチンを接種していない方が大勢います。そのため、市町村が費用を負担して検査をしています。
風疹に罹患した場合、症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあるため、決して軽視はできない疾患です。また、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。50歳を過ぎたので、大丈夫ということはないこと、また、仮に娘さんや息子さんのお嫁さん、またお孫さんが妊娠した場合、自分が抗体がないことによる感染、そしてそれが 娘さんやお孫さんの感染リスクを高めてしまう可能性があります。そのため、自分のためでもありますが、家族のためでもあります。
当院では当院の受診歴に関係なく、検査を行っています。事前に連絡はいりません。ただし、クーポン券を必ず持ってきてください。
ただ、現在、ワクチンが手に入りません。子供が優先であることもあり、抗体がない場合は、ワクチンの入荷状況等を勘案して対応をしています。抗体がなく、他院でワクチンがある場合は、他院で受けてもらっても全然かまいません。当院ではすぐには手に入らない状況のため、当院での接種を希望される場合は、しばらく待っていただくことになります。